魔王「勇者討伐の旅に出る」
第3章 隊商
ザザザザザ
盗賊「よっ!ほっ!」
魔王「…ゼッ…ハッ…」
召喚士「…このペースで行けば…夜の間に追いつくな」
盗賊「だね!でも、麓の村や赤道の村を過ぎたとなると、次は関所の町。そこまで行かれちゃうと、情報が一気広まっちゃうからねー」
召喚士「ああ…阻止せねば…」
魔王「…おい…!…ちょっ……!……休憩……!」
盗賊「なーにー?魔王なんか言ったー?もうちょっと近くを走らないとー、はぐれちゃうよー!」
魔王「……!……!!……ハッ…!…無理…!」
盗賊「大丈夫かなー、魔王。すごい顔してるけど」
召喚士「…」
盗賊「しっかし…やっぱり出所はあの隊商かあ。ま、それ以外にあの村に出入りした人間がいないもんねぇ」
盗賊「わりとしっかりしてたよねぇ…男も多くて、馬車も大きかったし…」
召喚士「ああ…」
盗賊「…ね、召喚士」
召喚士「なんだ?」
盗賊「全滅させなきゃ…なのかな。また、魔王が悲しむね」
召喚士「…」
魔王「…!…ゼッ…!…休憩…!…なあっ…おい…ッ!…」
ザザザザザ