テキストサイズ

Best name

第3章 君の十色

『おぅリョーキ!今どこだ?』
『家ッスけど…』

『今日飲みに行かないか?』
『今日…ですか~…』

『あ、そういやデートだったっけな今日?
いや~…悪い悪い』


~しらじらしいだろ
ったく…

わざとだろーけどな

『そんなんじゃないです
メシ食いに行っただけッス!』

『ふふん~まだ一緒か?』


『~なワケないじゃないスカ!
門限6時でしょ…第一』

『ブフッ…リョーキお前…顔に似合わず
生真面目だなぁ?ジョーダンは通じないし~』


…あんたの言うことは迂闊にスルーすんのが
コエーんだよっ!…

ハァ…

ため息をつく

『で?オマエ。アレか?』
『…~はい?』

『手、出したのか?』

こんの…何を言うかと思えば…このオッサンは

『なワケないじゃないですかっ…!;』
『本当だなっ?』

『指一本、触れてません!!』

『~そうだと思ったけどなっ!!ハハハハハ~♪~…
ところでアイルは?
特に変わったコトはなかったか?』

『?…べつにないと思いますけど…
てかそれこそアイルに聞いたらどーすかっ…?
毎日会うんだし』

『~ハハ…アイルは言わないよ
オレに、そんな"プライベートな話"はさっ♪』

実際アイルが何を感じてるのか
ソウタさんが上手く聞いてくれれば
なんて考えもなくはなかったオレは少し空回る

『ま、とりわけ心配事もないようで
よかったさ!ワルイなぁ浸ってたトコに!(笑)
じゃあな』

『…ちょっ…』

~…なんてタイミング
まさか後つけてきてねーよな?(笑)
さすがにないかあの人でも

~~やっかいな保護者だぜっ

なんて少しボヤく

…心配事ってなんだ?
まぁ、いい…
まぁ…?。…?

メールが一通入っていた
いつの間に

差出人を見て驚く

アイルからだった

『え…?』

〃楽しかった〃

絵文字も何もない
たった一行
たった5文字

男みたいなメール

それだけで冷め止まぬ熱が
更にヒートするのだが…

『…ん…』

メールを下にスクロールする


〃ワンピ ありがとう〃


続きがあった


…別れる間際、何度かモジモジと
何かを言いかけたのはきっとこれだったのだと
オレは思った
そしてメールの二言目…

わかりにくくて わかりやすい
正直でかわいいやつだ

オレは、ソウタさんの言うように

余韻に浸らせてもらうことにした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ