
Best name
第32章 最高の名前
ソウタさんは目を反らさず
真っ直ぐ向き合ったまま話続けた
『なぜです・・・?アヤメさん…』
『……?』
『なぜ・・・ただの一言も
褒めてやらないんです?
苦しい事も…悲しい事も
必死に乗り越えて生きてきた娘を…』
『なにを・・・急に』
胸の内を
代弁してもらってるかのようだった
ソウタさんの…言葉
『なぜ…っ・・・〃あの時〃
手を差し伸べてやろうと…っ
助けてやろうとしなかったんです?!
…信じてやろうとしなかったんですっ?!
せめて…あなたが…っ
あの時…あなた一人くらい…っ
この子の〃心の声〃に耳を傾けていれば…
こんなになるまで…っ…アイルは
アイルは、ここまで苦しまずに
済んだかもしれないのにっ…
なぜですかアヤメさんっ!
教えて下さい…っ』
ソウタさんが…涙をうっすらと滲ませて
長年の想いをぶつけていた
心の底からの叫び…。
オレにも…十分に
十二分にわかる・・・伝わる想い
その意味も
それなのに……
『何……言ってるの
カツラギくん…アナタ……いきなり』
この人は…本当に
その想いも
その意味もわからない
…といった表情
『グスっ…。それでもアイルは
この子は逃げずに
くじけずに生きてきた
一番苦しい時に…母親のアナタにも
誰にも苦しみを打ち明けられずにっ…
小さな肩に…一人背負い込んで
一番辛いときに
他人に育てられて…っ
それでもこの子はっ…曲がらずに
真っ直ぐに生きてきたんだ!
アイルの苦しみが…その気持ちがっ!
ほんの少しでも…これっぽっちでもっ…
あなたには
本当にわからないんですかっっ!?
あなた母親でしょうっ!?』
長年の想い…
そして怒りをぶつけるソウタさんを
表情こそ変えないものの
母親は黙って見ていた
『苦しみ…乗り越え
成長したあなたの娘が…
たった一人の大切な娘が
〃会ってほしい人がいる〃と
〃大切な人ができた〃…と
あなたに知らせてきた…。
なぜそれを…
喜んでやれないんですか!?
それどころか
あろうことにも、あなたは
そんなアイルの幸せを…
やっと掴もうとしている
アイルの…幸せを壊すようなことを…。
母親であるあなたが…なぜっ
そんなおかしなことをするんですかっ…』
真っ直ぐ向き合ったまま話続けた
『なぜです・・・?アヤメさん…』
『……?』
『なぜ・・・ただの一言も
褒めてやらないんです?
苦しい事も…悲しい事も
必死に乗り越えて生きてきた娘を…』
『なにを・・・急に』
胸の内を
代弁してもらってるかのようだった
ソウタさんの…言葉
『なぜ…っ・・・〃あの時〃
手を差し伸べてやろうと…っ
助けてやろうとしなかったんです?!
…信じてやろうとしなかったんですっ?!
せめて…あなたが…っ
あの時…あなた一人くらい…っ
この子の〃心の声〃に耳を傾けていれば…
こんなになるまで…っ…アイルは
アイルは、ここまで苦しまずに
済んだかもしれないのにっ…
なぜですかアヤメさんっ!
教えて下さい…っ』
ソウタさんが…涙をうっすらと滲ませて
長年の想いをぶつけていた
心の底からの叫び…。
オレにも…十分に
十二分にわかる・・・伝わる想い
その意味も
それなのに……
『何……言ってるの
カツラギくん…アナタ……いきなり』
この人は…本当に
その想いも
その意味もわからない
…といった表情
『グスっ…。それでもアイルは
この子は逃げずに
くじけずに生きてきた
一番苦しい時に…母親のアナタにも
誰にも苦しみを打ち明けられずにっ…
小さな肩に…一人背負い込んで
一番辛いときに
他人に育てられて…っ
それでもこの子はっ…曲がらずに
真っ直ぐに生きてきたんだ!
アイルの苦しみが…その気持ちがっ!
ほんの少しでも…これっぽっちでもっ…
あなたには
本当にわからないんですかっっ!?
あなた母親でしょうっ!?』
長年の想い…
そして怒りをぶつけるソウタさんを
表情こそ変えないものの
母親は黙って見ていた
『苦しみ…乗り越え
成長したあなたの娘が…
たった一人の大切な娘が
〃会ってほしい人がいる〃と
〃大切な人ができた〃…と
あなたに知らせてきた…。
なぜそれを…
喜んでやれないんですか!?
それどころか
あろうことにも、あなたは
そんなアイルの幸せを…
やっと掴もうとしている
アイルの…幸せを壊すようなことを…。
母親であるあなたが…なぜっ
そんなおかしなことをするんですかっ…』
