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【義母(はは)の手紙】


拝啓 滝川良希 様

突然このような手紙を差しあげた御無礼を
お許し下さい。

お会いした際の私(ﾜﾀｸｼ)の数々の非礼
私のとんだ見苦しい姿を
お見せしてしまったことを
心より深く、お詫び申し上げます。

私のような者が、愛留の母である事を
大変に申し訳なく、恥ずかしく思います。

しかしながら恥じるべきは全て私であり
娘には何の非もありません。

私は二度と
娘の前に現れたりも致しません。

ですので
誠に勝手な言い分な事は承知ですが
娘と私は全くの別物と…

愛留と私は
全く関係のないものとお考えになって

愛留が私の娘だなどと
どうか思われずに

私のような者がいたことは
どうかお忘れになって

貴方に娘を幸せにしていただきたいと

娘と幸せになっていただきたいと願います。

手前勝手に一方的な事を述べ
申し訳なく思いますが
その旨だけをどうしてもお伝えしたく
筆をとった次第です。

愛留を、娘のことを
どうかどうか、宜しくお願い致します。


敬具



藤沢 あやめ








お母さんの手紙を読んだオレは

迷わずに返事を書いた。



アイルに二度と会わないなんて…

そんなことされたらたまらない。



そしてアイルに…お母さんの気持ちを伝えた。
















そんな・・・深い

深い・・・訳が





長い長い・・・道のりがあって





アイルの名前が変わったのだった。








〃葛城 愛留〃





・・・結構イイ名前じゃねぇか。





ケッ・・・ヤケるぜ(笑)







なんてな？




それからのオレとアイルは

それはもう幸せに過ごしていた



アイルが何かに怯えることもない

オレ自身にも心配事やひっかかりのない

これ以上ないと言うような

平和な日々だった




『ソ…お…お父・・・』


『～～るせぇやい
カタチに拘るんじゃねぇ

バカヤロ、お前～
いつも通りで…イイだろぉが』



『ふふっ…ソウタさん』

『～～ぁんだァ～？アイル』







(笑)


養父となった
ソウタさんの呼び方に少々困る

アイルとソウタさんの姿を
微笑ましく思ったり


いつも通り……


いつも通りで、いいんだ



オレたちはいつも通りで……これからも……。