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第7章 櫻井くんの災難。


今度会ったらお詫びになんかしなきゃなぁ・・・
やっぱ酒を奢るのが1番良いかな、と考えているとにのが俺の腕の中で甘い声を漏らす。


N「ぅんん・・・キスぅ・・・」


ムニャムニャ言いながら胸に擦り寄り、また規則正しい寝息が聞こえてきた。


A「・・・このやろう。相手は俺だよな?!」



あの後・・・
お互い夢中で甘く深いキスを繰り返した。
息があがってきたにのが苦しそうに俺の胸を叩くから、ようやく唇を離して今度は強く抱きしめた。


A「誰にも触らせたくないよ・・・」


にのの髪を梳かしながら呟くが、反応が無い。


A「ねぇ、にの・・・」


・・・重い。


完全に体重を俺に預け、力が入っていない体。
え、まじで?





スヤスヤ・・・


A「寝てんのかよ!!」



まぁ、だいぶ酔ってたし、あれだけ泣けば疲れるか・・・。
仕事でも疲れてただろうし。
って俺も仕事だったんだけど。



A「優しいよな、俺・・・」



結局にのには勝てない。
泣いて甘えられたらきっと何でも許しちゃうんだろうなぁ。



にのの寝顔を肴に、
テーブルに残されたビールを飲む。
ぬるくなっててマズイ。



今日はもう仕方ない。
この可愛い寝顔に免じて許してやろう。


A「その代わり、次は覚えてろよ・・・」


にのの柔らかい頬をむにっとつまみ、そっと抱き締め直してベッドへ運んだ。

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