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偽恋-itsukoi-

第8章 涙


おろすとなって入院した。
30万必要だったから
フミヤのおじいちゃんが、15万お母さんが15万用意してくれた。
本当申し訳ない気持ちと感謝の気持ちで複雑な気持ちになった。

薬を飲んでベッドで横になってた。
ずっと涙が止まらなかった。

他の事を考えようとテレビを観ようとしたけど何も頭に入ってこない。
孤独で仕方が無かった。
フミヤは仕事で来れるか分からなかった。
お母さんが1日泊まってくれた。
忙しいのにいつもありがとう。
お母さんも辛いのにごめんね。

ついに薬で陣痛を起こす日が来た。
フミヤが忙しい中来てくれた。
フミヤには部屋で待っててもらって私は陣痛が段々酷くなってきてかなり苛々して壁とか色々殴っちゃった。
お腹の子はもっと苦しいって思ったらこんなの痛くも痒くもないと思った。

そろそろだと車椅子に乗せられ出産台に寝てかなり精神的に来てた。
もう我慢するしかなく、泣く事しかなく、どうにも出来ない自分が醜い。
痛くて周りの人に当たっちゃったけど
結局私が悪いんだよな…。

赤ちゃんの頭が股から出るのが分かって
頭ん中真っ白になった。
泣き崩れて赤ちゃんの顔を見れずに
とりあえず部屋に戻った。

看護師さんが赤ちゃんを小さな箱に寝かせたのを連れて来た。
フミヤと赤ちゃんの顔を見た。手も足もちゃんと五本指で産んでたらきっと元気に産まれてくれてただろうな。絶対忘れちゃだめだから目に焼き付けた。ごめんねって何度も謝った。

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