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校えっち(校閲)ガール

第36章 伊波杏奈の事情⑥

原稿に目を通してみる。

前回の校閲同様、私は主人公アツシの妻役。

ただ違うのは……

「アツシが自宅に連れ込んだケイコの前で
夫のアツシが妻のマヤとセックスする設定
らしいよ~」
「このアツシを演じるのは……」
「悠人くんでしょ~。だからだよ。
杏奈ちゃんにこの仕事を入れたのは」

つまりそれって……

未央の前で悠人と私がセックスするという……

「これは仕事ですよね?」

笹川に問いながらも
自分自身に言い聞かす。

「もっちのろんでしょ~。杏奈ちゃんの色気で
悠人くんをものにしちゃって~」
「分かりました。やってみます」

これは仕事……だからしょうがないの。

ごめんね、未央。

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