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校えっち(校閲)ガール

第39章 半端な想い

「AV男優なんて所詮は裏方。女優を輝かせる
為の道具にしか過ぎないんです。ブームなんて
呆気ないものでいつかは過ぎ去ります。
その時が来てしまったら路頭に迷うだけです」

声は荒くはないものの
物凄い剣幕を伊藤に感じる。

「桐生くん。落ち着いて考えてみてください。
今を取るか未来を取るか。【冗談社】に
在籍していれば安泰です。いつまでも
官能小説の校閲なんてさせません。
桐生くんは有能ですから他の部署からも
引く手あまたなんですよ」

物腰が柔らかく諭す言い方に変わった。

「……分かりました。ただし条件があります」
「何なりとどうぞ」
「AVの仕事を優先させてください。
伊藤さんの仰る通り先は短いようですから」
「構いませんよ」

伊藤はあっさり承諾した。

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