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校えっち(校閲)ガール

第4章 桐生悠人の事情②

その一言がどれだけ俺に響いたことか。

石垣島から上京してきた未央が
この東京で頼りに出来る人間は
きっと俺だけだろう。

俺だけであってほしい。

「あッ……」

未央は何かを思い出したように
両手を口元にあてた。

「観覧車の校閲……あのお話も日曜日
でしたよね」
「……そうだった」

目先の未央に魅入られてしまい
すっかり忘れていた。

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