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兄達に抱かれる夜

第9章 こんなこと、もうやめて。





意識を失ったのは、ほんの少しの時間だったのか、良く分からない。




翔太兄様の体に寄り添って、抱きつくように、しがみついていた。




腕枕、翔太兄様の胸板が目の前にあって、視線を上げれば、真っ直ぐな綺麗な瞳とぶつかる。




暖かい体温。




傍に翔太兄様がいることが、嬉しい。




裸で抱き合う。




目が合って、ふっと笑いながら、あたしの体が翔太兄様の体の上に乗せられて、ぎゅっと抱きしめられた。




「〜〜〜〜っ、苦しいっ、翔太っ」




力が強くて、苦しくて、体の上でじたばたして、抗議するように、翔太、の顔を見下ろして、軽く睨む。




綺麗な瞳、いたずらっぽい、光が宿る。




うっとりと見つめながら、唇を重ねた。




好き、大好き。




あたしからキスをして、そっと、舌を絡めた。




「恵麻……」




掠れたような、甘い声。




戸惑うように唇が震えて、あたしの絡める舌に、こたえるように、絡められる。




徐々に熱くなる体温、舌の動きも激しくなる。




薄く目を開けると、翔太の瞳が熱を帯びて、唇の隙間から熱い吐息を洩らす。




「また、欲しくなったのか?」




くすり、甘く笑う、からかうような視線。




そうなのかも、しれない。




あんなに、したのに。




ぎゅっと抱きしめても、まだ、足りない。




もっと、抱きしめて、欲しくて。




どんなにきつく、抱きしめられても、足りない気がして。




もっと近付きたい。




翔太を感じたい。




翔太の体の上で、綺麗な顔を見下ろして、そっと首筋にもキスを落とす。




「……恵麻?」




翔太の香り、少し汗の匂いがして、しょっぱくて、ドキドキして、切なくて。




「そんな顔、するなよ」




……どんな顔なんだろう、自分では分からない。




「また、したくなるだろう?」




……ずっと、してるのに。




しなくていいのに、こうしているだけで、いいのに、何度もキスをしたくなる。




ずっと触れていたいの。




見つめ合い、うっとりと唇を重ねた。




それだけで幸せで、何も言えなくても、繋がり合わなくてもいいのに。




「きりがないな、何度でも、欲しくなる」

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