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兄達に抱かれる夜

第6章 あたしの体、おかしいの……





お母様の話では、子供が出来たら、原則的にはその人の嫁になる。




長男とか、跡を次ぐとか、そういった習わしは無くなって来ているみたいだし。




お父様も自分で起業して、整形外科クリニックだし、美容整形とか、芸能人御用達の病院で良くCMにも出ているけど。



昔はお茶やお花や日本舞踊とかもあったらしいけど、時代のせいか、子供があまり恵まれなかったせいなのか、跡を次ぐモノがいなくなってしまったようだ。



だけど、子供が出来ても、あたしがどうしてもと言うのなら、その人と結婚していいとも言われていた。



それほど、石田の嫁は貴重な存在なんだとか。




血が穢れなければいい、そこだけが、重要みたいな様子だった。




有馬の家よりも、石田の家のほうが、ある意味独特だった。




あたしには双子の兄と、なぎなた道場の跡を次ぐ兄様がいる。




小さな道場だけど、古くからの伝統が受け継がれてはいる。




有馬家の養子に出されたのは、6歳の時で、それ以来兄様達には会ってない。




「康兄さま……」




「今日はずっと、お前と過ごしたいけど、いいかい?」




窓の外は、まだ、明るい日差しが漏れている。




本当なら、夜に兄様が、あたしの部屋へ、来るんだと、聞かされていたのに。




どうしてだか、こんな事になってしまっている。




ベッドの上で、康兄様の体に組み敷かれているあたし、まだ、外は明るくて、学校もサボって、デートもままならずに、欲情して部屋に連れて行かれてしまっている。



それでも。




美しい黒豹のような、康兄様に惹かれて、目が離せない。




絡まり合うようにベッドに沈んでいき、優しい愛撫を受ける。




蕩けそうな優しいキスに、身を任せた。

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