恋と秘密と幼なじみ
第5章 葛藤と幸福
有機化学序論の講義終了後、教科書とノートを片付けていたところに洋祐(ようすけ)と美菜(みな)がやって来た。
「よう、祥吾。なんかニヤニヤしてるな」
「そう? 別に?」
「あやしい……祥吾君彼女出来た?」
美菜の鋭い指摘にも祥吾は顔色を変えない。
十二歳の中一女子と交際を始めたなんて、間違っても知られるわけにはいかなかった。
「そんなわけねーし!」
「だよなー! 祥吾って女とか興味なさそうだし!」
「なんだよ、それ! ホモみたいに言うな!」
「えっ? 違ったの? てっきりそっちかと」
ふざけた口調でなんとか話を逸らせたが、美菜はもの言いたげな目でじーっと祥吾を見ていた。
「よう、祥吾。なんかニヤニヤしてるな」
「そう? 別に?」
「あやしい……祥吾君彼女出来た?」
美菜の鋭い指摘にも祥吾は顔色を変えない。
十二歳の中一女子と交際を始めたなんて、間違っても知られるわけにはいかなかった。
「そんなわけねーし!」
「だよなー! 祥吾って女とか興味なさそうだし!」
「なんだよ、それ! ホモみたいに言うな!」
「えっ? 違ったの? てっきりそっちかと」
ふざけた口調でなんとか話を逸らせたが、美菜はもの言いたげな目でじーっと祥吾を見ていた。