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快楽天国

第1章 コスプレ撮影会


新色コスメ、お気に入りのブランドの新しいバッグ、学校の近くにopenしたちょっとお高いカフェ...

女子高生には誘惑がいっぱいある。

期末テストが終わってクラスは浮かれモード。
「駅前のあそこのお店行ってみようか!」や
「これから皆でカフェに行かない??」
などあちこちでそんな楽しげな会話が聞こえてくる。

現に私も親友の晴香に駅前のカフェに誘われたばかりだ。

でもそれは丁重にお断りした。
なぜなら


「お金が...ありません」


そう、今、私 吉岡麻友(よしおかまゆ)の財布の中には270円のみしか入っておりません。
その理由は簡単。
先日行われた大好きなアイドルグループのコンサートで遠征費、そしてグッズ代とお金を使い切ってしまったからです。


でも使うべくして使ったお金...
後悔なんてしていない...


「はぁ...大人しく帰るか...」

「あ、あのぅっ!」

このまま教室に残っていても虚しいだけだ。
机の上の筆記用具を鞄に詰め立ち上がる。
それと同時に後ろからか細い声が聞こえた気がした。

振り返ると真後ろにはクラスメイトの後藤君。


「わっ!?びっくりした、ご、後藤君...何?」


思った以上に近くに居たので心臓が飛び跳ねた。
後藤君は今初めて話したんじゃないかってくらい話したことのないクラスメイト。

大きな巨体の割にはいつもオドオドしていて声が小さくてクラスの目立つグループの男子にはからかわれているのをたまに目撃する。


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