テキストサイズ

Baby love

第16章 やっと・・・。





SM「「・・・・・」」



潤のマンションに着いて、黙って部屋までの廊下を歩く。
お互いスーツで、サラリーマンだったらこんな感じなのかなとか思ってみたりする。



・・・サラリーマンにしちゃ髪が自由すぎるかな。
でも今時のサラリーマンなら、結構派手なやつもいるか。



潤は同僚?いや、後輩か。
取引先の社員ってこともあるかも。



・・・俺緊張してんのかな。
どうでも良い事ばっか考えてる。



潤が玄関のドアを開けて先に入った。
続けて俺も入ると、グッと腕を引っ張られて、潤の胸に抱きしめられる。



M「翔くん・・・
早く2人きりになりたかった。」



S「潤・・・」



M「キスして良い?」



余裕の無い切なげな表情で見つめられて、痛いくらいに胸が高鳴る。



S「・・・さっきは、勝手にしたじゃねーか。」



M「あんなの演技だもん・・・
ゴメン、見合いぶち壊しちゃって。」



いまにも唇に触れそうな距離で喋る潤の、表情も声も漏れる吐息も、何もかもが色っぽい。



S「そんなもんどうでも良い。」



M「ホント?」



S「見合い中もお前の事ばっか考えてたよ。」



M「・・・嬉しい。」



ちゅぱ、と唇の端を吸って、俺をチラリと伺う。



M「良い・・・?キス・・・」



なにこれ超可愛い!!
待てされて、待ちきれない人懐っこい犬みたい!!
普段猫っぽいくせに!!



S「ん・・・いいよ、」



言い終わる前に、潤が俺の唇を貪る。
玄関で立ったまま、まだ靴も脱いでない。



M「んん・・・はぁ、翔くん・・・」



S「ん・・・潤っ・・・」



潤が俺の元に帰ってきた。
別れを告げられるかもしれないと気が気じゃなかったこの数日。
苦しかった。辛かった。



S「潤・・・もっと、」



もっともっとキスしよう。
2度と不安に襲われなくなるように。



M「翔くん・・・」



潤の指が俺の目尻にそっと触れる。



うそ・・・俺、泣いてる?







ストーリーメニュー

TOPTOPへ