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Baby love

第30章 Baby love。




週末婚を始めて、数ヶ月。
変わった事はたくさんある。



まず俺について。



食器洗いが出来るようになった。
もちろん皿を割らずに、だ。
あと、米を炊けるようにもなった。
もちろん硬すぎず柔らかすぎず、ちょうど良い水加減で。



これくらいなら、覚える気になれば簡単だ。
朝ごはんの後の片付けは、俺が名乗りをあげて担当になった。
その間に潤が美味しいコーヒーを淹れてくれるから、食器洗いが済めば一緒にそれを飲むのが朝の恒例になった。



次、潤について。



俺の家に来る時に、インターホンを鳴らさなくなった。
ごく自然に、ただいまって帰ってきてくれるのが嬉しい。



あんまり持ってくると邪魔だろうから、なんて言って潤の服は最小限しか置いていなかったのに、今ではクロゼットの3分の2は潤の服が入っている。



いつの間にかソファのクッションも潤好みのオシャレな物に変わっていた。
あれ、今気付いたけど、掛け時計も変わってる。



S「ダサいって言ってたもんな。笑」



こういう事が、たまらなく幸せだ。
ちょこちょこと自分が住みやすいように部屋を改造している潤を想像すると、綻ぶ顔が抑えられない。



好きなようにしたら良い。
ココはお前の家だよ。



冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、半分ほど一気に飲んだ。



今日は潤が来る日だというのに、急な仕事関係の飲み会になってしまった。
早く帰ろうと思っていたのに、結局この時間だ。



最近我が家に来たオシャレな掛け時計は、とっくに日付けが変わっている。
もう、シャワーは明日でいいや・・・



バサバサと服を脱ぎ捨て、潤が用意してくれていたパジャマに着替えた。
寝室を覗けば、ベッドの端で俺のスペースを空けて行儀良く眠っている潤。
布団を捲って隣に寝ると、温かくてホッと心がほぐれていくような気がした。



S「すげぇ癒されるぅ・・・」



隣で眠る潤を眺めるのが好きだ。
本当に、造り物のようにキレイな顔をしてるよな・・・



俺の布団で安心しきってグッスリ眠る姿を見ると、思ってしまう。
数ヶ月前の俺達の関係が、ホントに信じられない・・・



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