テキストサイズ

Baby love

第6章 キスしようよ。




M side




少し緊張してそうなその子は、俺の不機嫌さを感じ取ったのか遠慮がちに挨拶をした。
服装が違うから分かんなかったけど。
あの時の子だ・・・
飲み会で翔くんと楽しそうに話してた子。



S「すげー偶然だよな!嵐のファンなんだぞこの子!しかもさ、」



M「ゴメンね?」



ご機嫌で話す翔くんを遮って、女の子に笑顔を向ける。



M「いま飲みながら大事な話してたんだ。
悪いんだけど、ユックリ話すのはまた今度・・・ね?」



ニッコリ微笑めば、ポッと顔を赤くする。
単純な子・・・
この子だったら、俺のがキレイなんじゃない?



S「潤?」



戸惑ってる翔くんと距離を詰める。
腹が立つな。
その子は俺の不機嫌さを感じ取ってんのに、何で翔くんは分かんないわけ?


スルッと腰に手をまわすと、翔くんが驚いて俺を見る。



M「・・・いつまで俺を待たせんの?」



鼻先が触れそうな程の近い距離で、見つめる。



S「おい、潤・・・」



M「・・・行こ?」



腰に手をまわしたまま、クルッと女の子に振り返ると両手で口を覆って真っ赤になっている。



M「じゃあね。」



もう会う事無いだろーけど。
翔くんを連れて個室に戻る。
嫌がらないから、翔くんの腰にある手はそのまま。



あのバカップルに何言われても良いや。
翔くんに触ってたいもん。
からかわれるのを覚悟で戻ったのに、そこには誰もいなかった。



M「・・・あれ?」



トイレでは無いよな?



S「メールきてる。“先帰るねー!”だってよ・・・。」



翔くんが呆れた顔でスマホを見ている。
帰った?!まじで?!







ストーリーメニュー

TOPTOPへ