ある晴れた冬の日に
第5章 故郷へ
その時私は暗闇の中にいた。
すると。
《……じゅん…じゅん……》
と苦しげに呼ぶ、若い女の子の声がした。
《……また…会おう、ね……》
会おうねって…それは
"じゅん"という人との、約束…?
「ん…うぅ…」
「蓮池どうした!?」
不意に肩を揺らされて、私は目を覚ました。
「ふぅ…」
運転中の先生が心配そうに、私をちらちら見る。
「もしかして気分が悪くなった?次のサービスエリアで休もう」
「はい…」
誰だったのだろう。
それに"じゅん"って…?
はっ、もしかして私が見るあの夢と何か関係してるのかも。
「あと2〜3分で着くから」
だけど今、この気持ちだけは確か。
私は先生に出会えて良かったと…。
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