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腐男子恋愛日常-parallel world-

第10章 ~歩の嘘~

「研磨、こんな事を言うのもなんだけど…。
元気出せよ…。」

「歩は、お前の元気のない姿なんて望んでないぞ…。」

勝平と平次が、俺を慰める。

「わかってる…!
わかってるけど…。」

それが出来たら、苦労はしねえんだよ…。

「歩の事を考えたり思い出す度に、気持ちがどんどん沈んでいくんだ…。」

「研磨、大丈夫だ…。」

「またすぐに、歩に会えるからさ…。」

「え、それって―――――」

突然、視界が歪んで睡魔に襲われる。

「あ、れ…?」

俺は、ゆっくりとその場に倒れる。

「言葉の通りだよ、研磨」

「また、別の世界で歩に会えるから」

「なに、言って…んだ…?」

俺の意識が段々、遠のいていく。

「この世界で起きた記憶は、消えるけどな」

「また、次の世界で会おうぜ」

勝平と平次の、最後の言葉と同時に俺の意識はそこでなくなった…。

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