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『ヒボクリトの贖罪』 大阪在住40男とメイド達の非日常性活

第12章 大切なあなたへ

2017年12月27日
大切なあなたへ

心配かけてごめんなさい。
あなたが、そんな気持ちで連絡くださったとは
全く気づきませんでした。

私はあなたのメッセージを
額面通りに受け取って
『あの頃を思い出して会いたくなった。』
という言葉の裏に隠された想いに
気付くことさえできませんでした。

あなたからのメールは
ただ ただ 嬉しかった。

6年前のたった数日間
私は誰よりもあなたのことが好きでした。
この場所で出会ったことを後悔するくらいに。
もっと普通に出会いたかった。

あなたの幸せを心から願っていました。
だから、自ら身を引き
あなたに辛い思いをさせてしまいました。
そして自分自身にも。

本気だったから
身を引くこともできたし
本気だったから
あなたが素敵な人と一緒になれたことが
本当に嬉しかった。
あなたが幸せなら。
それが一番私の望んでいたことだから。


でも、
あなたは私にメールをくれました。
その言葉をそのまま受け取りました。

あなたは幸せなのだろうか。
今幸せなのだろうか。

そう思うと
いてもたってもいられなくなりました。

二度と会わないと決めていたのに
そばにいたい。
少しでも力になりたいと思いました。


そこにはやましさは全くなかったです。
今までの私の行いを考えると
信じて欲しいと願うことは間違いでしょうが
ただ、素直にあなたの力になりたかった。

それだけの気持ちで
あなたに『会いたい』と伝えました。


あなたに大切な方がいるように
私にも大切な人たちがいます。
もちろん
その方々を悲しませることをするつもりもなかった。


ただ、
驚くほどに
あなたを救いたいという想いが
私の中の大切な人たちを追い越して行ってしまったことも
事実です。

それほどあなたは
私にとって特別な人でした。
改めて気づかされました。

私があなたから離れていった理由に
また気づかされました。



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