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Best name ~ 追憶 ~

第9章 本当の姿・・・


『リョウキ・・・大好き』


『・・・~♪』





ソファの前のテーブルには

リョウキの置いた婚姻届

リョウキの欄は…署名済みだった





それを脇目に

リョウキが屈んで、私は少し背伸びをして

キスをする



すっかり慣れた

いつもの行動

いつものキス






『~~っ・・・よっ』




『わっ・・・ちょ…りょぉきっ』






リョウキが突然

私を持ち上げで…ぐるぐるぐる~~・・・?





私を・・・〃高い高い〃しました







恥ずかしいです・・・

私、子どもじゃ・・・ありません






でも・・・いいの







彼の逞しさを感じられる

私だけの〃特等席〃





ぎゅうっ・・・




そのまま彼に抱きしめられる

私が一番、安心する瞬間







理想通り…計画通り


そんな風に行かないことは沢山ある



人生…どうにもならないこともある



思うように?・・・そんなの



いかないことの方が多い




私は知っている

リョウキも…知っている





だけどね

理想と違った、その景色は

理想以上に幸せなこともある


時に回り道や遠回りした人生は

思いがけぬ幸せに満ちている



その事も、私は知っているんだ






プロポーズは夜景のキレイなレストラン?





そんなもの…本当はいりません

ちっとも欲しくありません






私がプロポーズをもらったのは






パジャマだけど



お化粧もしていないけど




夜景なんかよりも


世界中のどんな景色よりも


一番綺麗で幸せな




ふたりきり・・・



一番大好きなその人が


目の前にいる





どんなキレイな景色よりも




もっとも最高の




大好きな




幸せな眺めだったから








『愛留・・・』

『良希・・・』













『ずっと・・・一緒にいよう』









世界中で…一番幸せな


あたたくて綺麗な景色だったから

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