TIME is MONEY
第4章 scene Ⅳ
「お前がここに残る証拠が欲しい」
顎を掴まれた時は、結局あのまますぐに離してくれてヤバい空気から解放された
話ははぐらかされたけど、あれ以上はまた襲われるかもと言う恐怖から
俺も聞くのを止めたんだ
なのに翌日
朝起きたら何故か雅紀が俺の上にいて
しっかり俺の体を封じ込めていて
そんな事を寝起きの俺に告げてきた
まだ覚醒しきらない頭が状況を把握しようと頑張って働きだす
だけど雅紀はそんな俺を無視して、俺の頭を軽く支えながら項の辺りに唇を這わせてきた
「え、ちょ…っ雅紀何して…!」
雅紀の髪を掴んで引き離そうとするけど、びくりともしない
ダメだって
マズイってば!
…俺、首弱いんだよっ!
ってか寝起き襲うとか反則だろ!?
昨日、何もされなかった事に油断した俺がバカだったのか?
いやいやいや違うから
雅紀がおかしいから
だけど
前にヤられた恐怖が蘇ってくると、途端にそんな強気な考えが浮かんで来なくなった
だって俺は
恐怖の中にも、あの時味合わされた快楽を知ってしまっている
それが一番怖いんだ
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