TIME is MONEY
第4章 scene Ⅳ
胸元についた雅紀の印
「…消さないように、しなきゃね」
そこに目を細めて指を這わせながら小さく囁いた
「なん、でだよ…」
聞きたくない
聞いたらいけない
そんな気がして仕方ない
だけどそんな俺の気持ちなんかに気付く訳もなく
「お前がここに残る為の証拠…いや、鎖の代わり」
雅紀がニヤリと嫌な笑みを浮かべた
「そんなの……」
“鎖にも何にもならない“
そう言いたかったけど、雅紀の目がそれを許さない
何で?
今までの俺なら、間違いなく反論してた筈
なのに何故今は何も言えない?
「あ……っ」
油断してたら、再び雅紀が動き出した
再び首筋に舌を這わせ、それを下にゆっくりと下げ始める
「も…やめ、ろ…っ」
既にイカされた体は敏感になっていて、些細な刺激も快感として取り込んで行くから
胸元を皮切りに次々と赤い痕が付けられていく度に、嫌でも体が反応した
これじゃあセフレなんかじゃない
ただの、雅紀の玩具でしかない
こんなの俺じゃない
戻りたい
戻れない
一体俺は、何を望んだんだろう
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