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君を好きにならない

第4章 触ってみてもらえますか?


「どうしたんですか?
冷蔵庫の前で考え込んだりして」


ピザが到着し
俺は冷蔵庫の前で
考え事をしていた


「ビールを飲むかどうしようか迷ってる」


「え?また飲むんですか?
昨日散々飲んだんじゃ・・」


確かに。

真琴の言う通りだ。


でもな
飲まなきゃヤバいような

いや

飲んだらヤバイような・・・


「向井さん!」


腹が減ってるのか
ピザの前で
真琴はスネたように俺を呼んだ


「わかったわかった
ビールはやめとくよ
さ、食おうぜ」


真琴は
またロクなもん食ってねーみたいで
ちょっと痩せたみたいだ


「向井さん・・ちょっと痩せました?」


俺も人のことは
言えないが。


「仕事忙しくて
ちょっと痩せたかもな。
お前も痩せてんぞ、いっぱい食え、若いんだから」


なんでもない会話をしながら
こうして誰かと家で飯を食う

たったそれだけのことが
食欲をわかせる


「昨日、どんなとこで飲んでたんですか?」


「行きつけのBARがあるんだ」


「かっこいいですね~」


「普通の店だ、かっこよくはねぇよ」


バーテン、オネェだし(笑)


「普通でもかっこいいですよ。
僕は行ったことないし
その前に、向井さんみたいに
一緒に飲む人もいないし
泊まりに行く場所もないですけど(笑)」


今日の真琴はよく喋る


俺以外の人と
話をすることもねーからなんだろうな・・



だったらさ



なんで
あの時帰ってったんだよ



あのまま



居ればよかったのに・・。


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