隣は空席のまま…
第3章 記憶の中の甘いズレ
隆太は…
時計を気にしながら――――…
私を抱き締め――――…
「会えて…良かった」と、部屋を出ていった――――…
ブラウス姿の私を――――…
隆太は、この寒い部屋に置いていく――――――――…
ヨリを戻すためでもなく――――…
奥さんと別れるためでもなく――――…
ただ――――…会って…
抱けて――――…良かった――――…
ただ…それだけ――――…
涙が――――――――…
頬を伝う…
寂しくて――――…?
違う!!!
自分が…
許せなくて――――――――…涙が…流れる
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