肝だめし
第2章 異変
でも周りが騒げば騒ぐほど冷める自分がいた
そこまで怖がるほどか?
確かに白い顔はインパクトがある
真っ黒な眼球に紅い唇でこちらを見つめる様はとても不気味だ
でもあくまでそう見ようと思えばそう見えるレベル
葉っぱや岩が人の顔に見えるパターンよりは遥かにマシだが、俺は間違いなく人に見えなければ心霊写真とは認めない
「ここにいるの誰?」と思わず尋ねてしまうぐらいじゃないと
それ以外のモノは実在しようがしまいがどうでもいい事だ
とは言うものの、これだけ反響があれば悪い気はしない
怖かったけど肝だめしをやって良かった
そこに1人の男が寄ってきてこう囁いた
「俺も行ってみたい!もう一回やらへんの?』
「えっ?」
まさか自分も行きたいと言うヤツが現れるとは
前回は人数も集まらずに中途半端に終わった
お墓の中には10分もいなかっただろう
でもこの盛り上がりでメンバーを集めれば、もう少しまともな肝試しが出来るかも知れない
「いいねぇ〜♪」
こうして2回目の肝だめし開催が決定した