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青鬼の怪~あなたは、これを信じますか?~

第2章 二つ目の悪夢

 今の彼とはまだ結婚の話はしたことはない。私自身、考えたこともなかった。しかし、いずれは私も誰かと結婚するだろう。
 一生、子どもを生まないと決めているわけでもないし、この若さで婦人病だなんて、勘弁して欲しい。本気でそう思った。
 だが、眼の前の中年医師は私のショックなどには頓着せず、淡々と言う。
「私は残念ながら専門ではありませんので、ここからは担当の医師に引き継ぎます。ここで少しお待ちください。担当医を呼んできます」
 医師はそう言うと、静かに去ってゆく。私は呆然として医師の後ろ姿を見つめるしかない。
 どれくらい待たされたのだろう。長いとも思えるし、短いとも終える時間だった。
 入り口のドアが開く音で、私は顔を上げた。担当医が来たのだと判ったからだ。
 刹那、私はヒッと小さな声を洩らした。

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