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知らない世界

第5章 仲直りのお礼

本当に若は明るくなった。
その辺で見かける、ごく普通の高校生。
やっぱりあいつ、潤のおかげだな。
あいつに会ってなかったら、いまだに若はケンカ三昧だったと思う。
出会いかたはかなり特殊で、潤にはかわいそうな思いをさせたけど、あれがきっかけになったのは間違いない。

あれからあいつは家には来てない。
学園祭の準備とかで、クラスの連中がよく家に来るようにはなった。


「若、お友達が来ていらしたのですね」

「あぁ、やっぱ学校だけでは時間がたりなくて、みんなに協力してもらってるんだ」

「そうですか・・・じゃあ頑張ってください。
あとでおやつでも持って来ましょう」


あいつはやっぱり来ていない。
そうだよな、いきなり抱き締めたり、キスしたりして、驚いただろうな。
あいつだってキスくらいはしたことあるだろうけど、ヤ⚪ザの、しかも男にキスされたら驚くに決まってる。

でも俺はどうしてしまったんだろう?
あいつを初めて見たとき、高校生のくせして、しかも男なのに何か色気があって、思わず目を奪われてしまった。

あいつといると、自分の気持ちを抑えられない。
だから会わないほうがいいのかも。
でも・・・


「会いたい・・・」




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