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知らない世界

第7章 最悪なあとに

レントゲンを撮り、待合室で待つ。


「まぁ、骨は折れてないし、まぁ打撲だな。
冷やしておけば治るだろう」

「よかった、何でもなくて」


櫻井さんの表情が嬉しそうに見えるのは、俺の気のせいか?


「お前んとこ、さらしあるだろ?
薬出しておくから、さらしで巻いてやれ」

「はい、わかりました。
じゃあ潤、帰ろうか」

「はい・・・ありがとうございました」


タクシーをよび、病院をあとにした。
ただ黙っている俺達。


「あっ、そこで止めてく。
少し待っててくれないか?」

「・・・はい」


タクシーをおりてどこかへ行った。
5分?・・・10分?・・・


「お待たせ。運転手さん、すまなかったな。
じゃあ、だしてくれ」


櫻井さんは、少し大きめの紙袋を持って戻ってきた。


「待たせて悪かったな潤。
大丈夫か?痛くないか?」

「痛みはとれてきました」

「そっか・・・
マンションについたら、薬つけてやるからな」

「はい」


俺の手を握った。
今日は何かと拒否ってきたけど、手を握られることはなぜか拒否らなかった。
むしろ緊張感がなくなり、ほっと安心をした。
気が付いたら指を絡めあい、握っていた。






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