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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第1章 ブドウ

ーーーーーーーー双子SIDE

空が闇に染まった頃、当然のようにその双子はユリの部屋に居た。

スースーと寝息を立てながら眠っている彼女を取り囲むように座る彼等は今日のことを思い出してクスクスと笑っていた。

「ねぇ、夜…ユリのファーストキスなんてとっくに俺達が奪っているのにね」

「そうだね。無知なユリも可愛いなぁ」

そう言いながら夜はユリの桜色の唇に触れた。それと同時に一瞬だったが触れた唇の感触とユリの反応を思い出して身体を震わせた。

「キスだけであの反応…これからどうなっちゃうんだろうね」

「…早く、ユリと繋がりたいな…」

「空、その為にはユリの警戒を解いてからって言っただろ?今日のキスはやりすぎだぞ。」

「我慢、できなかった」

「俺が咄嗟についた″嘘″をユリが信じてくれたから良かったけど…」


そう、彼等は海外に住んでいたことなど1度も無かった。父親が海外出張することは多々あったが、自分達はいつも日本にいた。

まんまとユリは騙されてしまったのである。

空はユリの髪を撫でながら低い声で呟く。

「夜…アイツ、邪魔」

「…フフッ流石俺の弟、同じこと考えてた。岸陽向、だっけ?」

2人は黒く染まった目を合わせ、ニヒルに笑う


「「早く消さなきゃね」」


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