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15年間片想いしてみた

第3章 進展と後退

彼女は絵がうまかった。そして筆まめ(?)というのか、よく手紙を書く子だった。
決まってそれはイラスト付きで、可愛らしい絵で彼女と俺のツーショットが描かれていた日には半日それを眺めて過ごしたこともあった。
うん、気持ち悪い。

ある日、書いてもらってばかりも申し訳ないなぁ、と思い至り、手紙を書いた。
それもやめておけばいいものをイラスト付きで。
今思えば鉛筆で描いたのをこすって消したりしたので、かなり黒ずんでいたと思うが、それでも自分は満足していた気がする。

彼女は喜んでくれるだろうか、そう思いつつも、授業中に生徒伝いに回していく。
彼女はこちらと手紙を交互に見て、中身を確認したあと、うつむいた。かすかに顔が赤らんでるのもわかる。かわいい。

まあ先生に犯行現場を目撃されてた俺はそのあと10分廊下に立つことになったのはいうまでもない。

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