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二人で一人

第58章 優のキモチ







『心配してくれんの?』


蓮が嬉しそうにあたしに聞く。


「あたりまえでしょっ!
あたしのせいで…」


あたしは罪悪感に押し潰されそうだった。


目尻が熱くなって、瞳が揺れる。
視界がぼやぁとしてくる。



『優…俺、大丈夫だからさ…、だから…泣くな……』



さっきまでニコニコしてて嬉しそうだった、蓮が悲しい顔をしてあたしの涙を拭う。




―ポツン…ポツン…

ザザザザザザザザザザ



『雨…
優…濡れる……』


そう言って蓮はあたしを抱き寄せる。



空はあたしの感情とリンクして、大粒の涙を流す。



「ごめんなさい…ごめんなさい…」


あたしはずっと謝り続けた。


あたしは最低だ。

蓮が冷たい態度をとるのだって自分のせいだ…。


なのに………………


それでも…




蓮といっしょにいたい………






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