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委員長はエッチでした

第10章 上書き





外は薄暗いから
結城さんは
気付いてないだろう。



そう思って
そっと
家に入った。



この時の
自分の咄嗟の判断に
悔やむ事に
なるとは
思いもしなかった。





ゆっくり歩いて来た
結城さんは
おばあちゃんの
家を見て
ぽつりと呟いた。



「こんな場所にいたとはね?」




笑いながら
家の中の
灯りを
目を細めて
眺める。



眩しいモノを見るように
愛しいモノを見るように



結城さんが
あたしの姿に
気付いたなんて
思いもよらなかったのに。




「暗くても、どんなに遠く離れても、
彩香の姿は、すぐに分かるんだよ」



その言葉は
あたしに
向けた言葉だったのかもしれない。



でも
この時のあたしは
亮の事で
頭がいっぱいで

結城さんの
存在に
注意する
余裕なんて
なかったんだ。

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