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委員長はエッチでした

第4章 逃げない





黒崎の住むアパート
良くある
普通の
シンプルなアパート。



二階の一番奥が黒崎の家。

両親は海外に
住んでいるらしくて

結婚した
お姉さんが近所にいて
時々様子を
見に来てくれるらしい。



他にも大学生の
お姉さん
社会人のお姉さんがいるみたい。



いつも几帳面に
綺麗に片付けている家の中

シンプルな家具
勉強机に
大きな本棚。



本の種類やジャンルも
さまざまで
黒崎は興味を持つ事は
沢山あって
もっと広い視点で
物事を見据えているのかな

そう思わせてくれる。



インターホンを
思い切って押して

少ししたら
静かにドアが開いた。



「彩香さん……
そろそろだと、思ってた」




固い表情
何も言わずに
中に入れてくれる。



黒崎はいつだって
受け身で
あたしを
拒む事もない。



中に入って
冷蔵庫から
ビールを1缶
出してくれた。



「どうしたのこれ?」



テレビがあって
小さなちゃぶ台
シンプルなラグの上には
座布団。



いつものように座る。



「……隣の大学生が……何故だか、くれたんだ」




しかも
あたしのお気に入りのビール。



ちゃんと覚えてくれたんだと
喜んだのは
一瞬の事。



「……その……可愛い彼女に……
よろしくって……」



カ〜と赤くなって
俯く黒崎。



「可愛い……?
何て言ったの?」



向かい合って
座ったのに
黒崎の隣に移動しながら
聞いてみる。




「か…彼女……」



赤い顔をして
俯いて
きゅっと唇を閉ざして
チラリと上目遣いに
あたしを見ていた。




「誰が誰の?
そんな人がいるの?」




「彩香さんが俺の……っ
他にそんな人が……いる訳が……っ」



「うれしい」



嬉しくて
黒崎にぎゅっと
抱きついた。



「……っ」



黒崎の意外に
広い胸
固い胸板


シャンプーの香りと
石鹸の香り



ほんの少しの
汗の香り



暖かい体温
しなやかな腕



あたしの頬にかかる
サラリとした
黒い髪



その全てが
嬉しくて
ドキドキした。



黒崎の胸の
ドキドキが
伝わる。








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