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委員長はエッチでした

第4章 逃げない




なんというか
その……
気が強いイメージそのものだ。



結城さんに
殴る蹴るって
結構ボコボコ
見てしまった訳だし……。



確かにあの気性……。




「強くて格好いい女だったよ、
だけどあいつは、俺の将来の事を、
考えてくれていた。
後で知ったんだが、俺の親父が、
早苗に勝手に会って、別れて欲しいと、
言いに行ってたらしい……」




「……そうだったのか」




「それでも、諦め切れずに、何度も会って、
二度と顔を出すなと、子供には父さんは、
死んだんだと言うからと言われてね?
流石に何も出来ない」



自業自得というか
なんか……
すげぇヘビーな話を
聞いた気がする。



男として
情けないけど
可愛想な気もする。




「……ずっと突っ張って、一人で頑張って、
彩香ちゃんをここまで育て上げて、
一番信じていた男にもまた、裏切られて、
俺の出来る事は何でもしたい、
一緒には暮らせないけど……と、
そういう話をして来た。
だけど彩香ちゃんには、
まだ、何も言わずに居て欲しいと、
言われて来た」




そうだな
彩香には
まだ
何も言わない方がいい。



今はまだ……。



その時
あいつは
どう思うだろう?


俺の事を
軽蔑するか?


知ってて
友達の振りをしたのかと
責められるのだろうか?



どちらにしても
この事は
彩香には
言わないでも
いいような
気がする。



俺と彩香には
必要ない
事実だ。



俺は彩香の事
どう思っている?



やっぱり
自分と同じように
思っているだけで
縁というモノを
感じているだけだ。



目を閉じれば
いつも
思い出す。

あの美しい月夜の夜を

あの公園で
暗闇の中で
距離を置いて
一緒に歩いた。


時々月を見上げて
同じように
月を見上げる
小さな背中

俺はただ
黙って一緒に歩いていただけだった。



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