テキストサイズ

誰も見ないで

第4章 真実と真実

渡辺目線


こんなに近くで紺野君の存在を確かめたのなんて初めてで、俺の心臓は壊れそうなほど早くなっていた


よかった
ほんとに、よかった

嫌われちゃうかと思った……


半ば泣きそうになりながら紺野君をぎゅう、と抱き締める

紺野君のちっちゃくて細い手が俺の背中もきゅって引き寄せて来て、俺は心の中で歓喜に叫んだ

心もちゃんと繋がれた実感がじわじわ湧いて来て、自分が熱を出して寝込んでいたことも忘れてしまいそうだ

すると、腕の中でもぞ、と動く


「?」


少しだけ身体を離して紺野君と目を合わせると、紺野君の話が始まるより前にまずドキッとしてしまった


かわいい
こんな距離で見るとかほんと

うわぁぁぁ……


そんな風に思っているうちに開かれた紺野君の口から発せられたのは


「待ち合わせに、行かなくてごめんなさい」


という謝罪だった


「!」


もちろん俺だってショックだった
けど、好きな人に勇気を出して告白したのにそれが嘘だったなんて、そっちの方がずっとショックだ

それに、知ってるのにデートに来るなんて……

……想像も出来ないぐらい神経が図太くないと無理だよね

ストーリーメニュー

TOPTOPへ