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誰も見ないで

第17章 決断


少しびっくりしたような顔をした瑞稀君はその後すぐに表情を崩して


「良かった」


と言って笑ってくれた



俺の学校では3年生は前期の途中から午後の授業がなくなって、午前だけしか学校へ行かない

午後は各々自習するなり塾へ行くなり時間を過ごしている

瑞稀君の姿がなくて授業が退屈に感じる俺には、不幸中の幸いだ

クラスの人とはそこまで関わらなくていいって言うのも、正直人見知りな俺はホッとしてる


けどそれは俺以外にも当てはまるみたいで、元々の友達が同じクラスにいれば多少会話したりするけど、基本的には教室は静かだ

誰も話す人がいないほどじゃなく、僅かな会話が聞こえる程度

でもそれが息苦しくはないから、不思議な空間だ


毎日学校へ行って
その不思議な空間で一瞬に感じる短い時間を過ごして、帰宅して

これじゃ時間が短く感じるのも当然だなって思う


このまますぐに卒業になって
すぐに大学に行って

大学の卒業も、すぐかな


そんなわけないか
瑞稀君と会えない時間が、短く感じるわけない

どんなに忙しくたってきっと
頭の中のどこかでは常に考えてしまうだろうから


そんな中
3年生最後の行事がやってきた

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