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誰も見ないで

第4章 真実と真実


ふーん、って適当に返事をしてると、正樹がため息を吐いた


「それにしても、そんなにぼーっとしててよくちゃんと紺野君が好きとか気づけたよね」
「俺そんなにぼーっとしてる?」
「してる。人からの視線とか気にしなすぎ」


逆に正樹は気にしすぎだからこんなところで話さなきゃいけないんだと思うけど

とは、流石に怒らせるから言わない


「でも紺野君のことはぼーっとしてただけじゃなかったよ」
「それは俺だってちゃんと褒めたでしょ。けど、最初はただ友達が欲しかったから告白受け入れたなんて本人に言えないよ?」
「それは……」


そうだけど

今思えば俺が紺野君に片思いしてて告白したとして、友達が欲しかったから好きでもないけど受け入れましたなんて言われたらショックで立ち直れない

うわぁ
想像しただけで泣きそうだ


すると、階段の下からパタパタ、と誰かが走る音が聞こえた


「やばい。人来始めたのかな。そろそろ解散しよう湊斗」
「……うん」


特に身にならない話しだった気がするけど

紺野君の幼馴染は相原先輩、ね

それはちゃんと覚えておかなきゃ

もしかしたらご挨拶する日も来るのかもしれないから

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