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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第28章 BLUE BIRD

『お義父さん、お義母さん

遠くから…ご足労いただいて
ありがとうございます

何も知らずに…すみません』





『いやいや…娘は、この通りだ
仕方がないでしょう』





『ええと…それで、お二人とも
宿泊先などは……?』




大きな荷物を持ったマリアの両親を見て
ヤツが聞いていた




『近くにホテルをとってあるから

我々に気遣いは不要だよ

いや、とにかく…

急に押し掛けてすまなかったね和樹くん』





『いえ……そんな、とんでもない』






『それに加えて…娘の事は』





『え……っ』





ドクン…ドクン…



再びヤツの心臓の音が聞こえてきそうだ





『全て…聞いているよ』





『~~っ……』










『すまなかったね…和樹くん』





『え…』







『娘が……君を裏切るようなはたらきを』







病室に再び緊張がはしった





『まりあは…自分のしたことも

全て私達に白状して…話して

その上で…助けを求めて来た』






『お義父さん…それは』






『その話は…決着は、ついてるのかな?
それに関しても…私達は君に対して
まりあに代わって償わなければ…』






『僕は…っ
まりあを訴えた訳ではありません!

あくまで・・・その相手と
その関係を清算するためだけに』





『和樹くん……あぁ、まぁ

それは…そうとして、だね』






『まりあさんの事は僕が一生面倒をみます
一生歩けなくても、寝たきりでも

僕らは……夫婦ですから
それが、当然の事と

ですから、お義父さん達は…』









ヤツは…また

得意の演技を始めるのか

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