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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第28章 BLUE BIRD


『・・・すみません』





『君が……娘の・・・そうなのか?』









『すみません・・・』






俺は振り返り……返事をする間もなく

マリアのお父さんに頭を下げていた






『すみません・・・すみません・・・!』






目を合わせるのが・・・恐かった







『君・・・』







『すみません・・・、申し訳ありません!』







『・・・』









『俺のせいなんです・・・っ』









一方的に…こんな所で

謝罪なんかされたって、いい迷惑なはず



だけど・・・






『君か・・・』







『申し訳ありませんでした・・・っ』







黙っている事も


頭をあげることも



出来なかった・・・








『・・・君の』







『全部、俺が悪いんです・・・!』








『顔を・・・あげなさい』









『・・・~~~~っ』









『顔を・・・あげて』








『・・・っ』








俺は・・・逃げ出したい気持ちを抑え

ゆっくり、顔をあげる




初めて・・・正面で

そのお父さんの顔を直視した









『君の話は…娘から聞いているよ』

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