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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

買い物から帰って

エリカは何だかんだで退屈なのか
張り切って料理をすると言い出した


俺の家の中ならまぁ…と
とりあえず好きにさせてはみたんだが



エリカは・・・



壊滅的に料理が出来なくて
それはソッコーやめさせた(泣)




これで…よく
彼氏と結婚なんてほざいてたモンだぜ

なんて
内心少し苦笑いしながら…







『ほら・・・食え』



結局、料理なんか滅多にしない俺が
夕飯作って食わせる羽目になってるしよ


ただの保護者じゃねぇか完全に


・・・ま、文字通りか?






『野菜炒め・・・?

エリカ…野菜キライ』





『ワガママ言うな!ちゃんと食え

出されたモンには感謝をしろ

手を合わせて〃イタダキマス〃だ!』






『マジうるさい…ユウトって

若いのにパパみたい』





『・・・ブホッ』






『将来ムスメとかいたら

クソジジーとかゆわれて

ちょー嫌われそう~…』






『フン…テメェから見たら
十分クソジジーだろーな俺は(笑)

んな娘がいたらゲンコツ上等だ
~お前の父ちゃんの苦労が
なんか伝わってくるぜ…(笑)』




『プーンだ・・・』






娘・・・か




いたら…こんな感じ、とか

こんな風で…なんて

今の俺には想像もつかなった











『電気消すぞ?』


『・・・うん』



夜…すっかり大人しくなったエリカは
(ホッとするぜ…)






中々、横にならず

膝を抱えてソファで丸くなって

うずくまるように…指をくわえる?




『???』




いや・・・爪を噛んでいた





『・・・』


爪を噛む子って・・・確か








『エリカ・・・?』








寂しがりの・・・行動?














『エリカ・・・ほんとはウソついてた』








『え・・・』





エリカが膝を抱えて涙を拭いながら
ポツリと呟いた

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