
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第29章 果たされぬ・・・約束
『パパにゲンコツされても
ママに泣かれても…縁…切られても
エリカは彼氏と結婚して
赤ちゃん産もうと思ったんだ
だけど…彼氏は…喜ぶんじゃなくて
困る…って・・・だから』
『・・・一人で…堕ろしたのか…?』
『・・・親に…バレたから
すっごく怒られて…すぐ、堕ろせって
病院に…』
『・・・』
『彼氏も…離れちゃって
赤ちゃんもいなくて…エリカ
なんもないじゃん…って
寂しくて…まだ信じらんなくて
彼氏の事、追いかけたんだ
一緒に住む約束もしてたし
場所・・・知ってたから』
『それで…こっちに家出してきたのか』
『…仕方なかったんだ、って
エリカなりに納得したかったって言うか
一緒に住んで…エリカも働いて
大人になれば、やり直せるかも…って
親には絶対反対されるから
エリカ…自分の貯金全部持って
家出したんだ』
聞けば聞くほど
そうなる前に…誰かひとりでも
この子を止めてやれなかったのか、と
悔やむような思いを消せなかった
『彼氏の家に行って…
赤ちゃんの事も…話して
エリカは信じてたし
確かめたかった
彼氏も…ほんとは悲しいはずだ、って
エリカとおんなじ気持ちだ、って』
『・・・』
『〃本当に俺の子か?〃・・・って』
『え・・・』
『追いかけてったエリカに…
赤ちゃんの話したエリカに
彼氏…そう言った』
エリカは既に…大粒の涙を
ポロポロとこぼして
顔を隠していた
『今更、実家(うち)にも帰れなくて
エリカは…毎日アパートで
彼氏の帰りだけ待ってた
エリカ…お料理もヘタッぴだから
上手く作れないけど
毎日…ご飯作って、待ってたけど
彼氏……夜遅くまで帰って来なかった』
『・・・』
『飲み会行って…遅くに帰ってくると
エリカがいるのがウザイ…って
エリカの事…叩くようになった』
『……』
どこにでも…いそうな
いるようで、いない
だけど、いないようで……いる
ゴミクズ男が・・・ここにも
ママに泣かれても…縁…切られても
エリカは彼氏と結婚して
赤ちゃん産もうと思ったんだ
だけど…彼氏は…喜ぶんじゃなくて
困る…って・・・だから』
『・・・一人で…堕ろしたのか…?』
『・・・親に…バレたから
すっごく怒られて…すぐ、堕ろせって
病院に…』
『・・・』
『彼氏も…離れちゃって
赤ちゃんもいなくて…エリカ
なんもないじゃん…って
寂しくて…まだ信じらんなくて
彼氏の事、追いかけたんだ
一緒に住む約束もしてたし
場所・・・知ってたから』
『それで…こっちに家出してきたのか』
『…仕方なかったんだ、って
エリカなりに納得したかったって言うか
一緒に住んで…エリカも働いて
大人になれば、やり直せるかも…って
親には絶対反対されるから
エリカ…自分の貯金全部持って
家出したんだ』
聞けば聞くほど
そうなる前に…誰かひとりでも
この子を止めてやれなかったのか、と
悔やむような思いを消せなかった
『彼氏の家に行って…
赤ちゃんの事も…話して
エリカは信じてたし
確かめたかった
彼氏も…ほんとは悲しいはずだ、って
エリカとおんなじ気持ちだ、って』
『・・・』
『〃本当に俺の子か?〃・・・って』
『え・・・』
『追いかけてったエリカに…
赤ちゃんの話したエリカに
彼氏…そう言った』
エリカは既に…大粒の涙を
ポロポロとこぼして
顔を隠していた
『今更、実家(うち)にも帰れなくて
エリカは…毎日アパートで
彼氏の帰りだけ待ってた
エリカ…お料理もヘタッぴだから
上手く作れないけど
毎日…ご飯作って、待ってたけど
彼氏……夜遅くまで帰って来なかった』
『・・・』
『飲み会行って…遅くに帰ってくると
エリカがいるのがウザイ…って
エリカの事…叩くようになった』
『……』
どこにでも…いそうな
いるようで、いない
だけど、いないようで……いる
ゴミクズ男が・・・ここにも
