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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

泣き止まないエリカを抱えて
ベットにおろした




『ほらエリカ…横になれ』


『~~っ…』


ブンブン頭を振って
エリカは俺の胸にしがみつく



『・・・』

まいったな・・・




エリカを抱えて結局ベットの上で
座ってるカタチになる




ポンポン・・・



泣いて震える背中や頭を撫でて
とりあえずなだめていた




・・・ったく

なんで俺がこんなこと





そう思いながらも
俺はエリカが心を開いてくれたことに
安心していたのも事実だった






ギュ…




ちっとも落ち着かないエリカを
少し強く抱きしめた






『・・・』


『う…ん・・・~~っ、いたい』





エリカが俺の胸から顔を反らした






『・・・』




夜泣きする赤ん坊より厄介だぜ…(泣)





赤ん坊?…って・・・おい?




モゾモゾ・・・






『エリカ~・・・?』






なんか俺のTシャツめくってるしよ



なにしてやがるこのガキ?!



マジで赤ん坊かテメェは!?


おっぱい探しても出ねぇゾ?!



おいっ!?(苦笑)







『ユウト・・・痛い・・・コレ?』






ジャラ・・・





『・・・?』






あ・・・





エリカがめくり上げたTシャツから

引っ張り出すのは

俺の胸元にあるネックレス






『このトップ・・・指輪?』






真ん中に指輪を通した…それ






つけっぱなしになってて

外すのも・・・付けてることさえ

忘れてる…それ









『あぁ・・・わりぃな』






俺はエリカの手から
それをパッと引き抜いて
首の後ろに回した





『ねぇユウト・・・寝れない』





『うるせえ(笑)寝ろ』



俺は眠みぃんだよ…っ(苦笑)







『さっきの話・・・もっとしてよ』






『あん?』







『ユウトに……色々教えてくれた人の話』








『・・・』









『女の人?…だよね?』







『・・・早く…寝ろ』



俺は…その声を遮るように
エリカを抱え直してベットに寝かせた

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