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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・


なんで・・・こんなこと
言っちまったんだ、俺・・・。


どうしちまったんだか・・・。






ポロポロ・・・。



一方、俺の話を
最後まで黙って聞いていたマリアは

涙を流していた。



『・・・泣くなよ』



泣かせたいワケじゃ…ねぇよ。




『ごめん・・・』


『泣くなって…昔の…事だ』




『私のせいで…辛いこと思い出させた』




『なんでそうくるかな・・・お前は』





『だけど・・・素敵。

優しくて、つよくて…
素敵なお母さん・・・。

それに・・・優しい子。
素敵な…家族だね』




確かに俺の生い立ちなんか関係ない…


だけど


俺・・・

ガキの頃の…無力だった自分を
恨みたくねぇんだ。


デカくなって
大人になって・・・


そして今・・・


ガキの頃に
守れなかったものを


あの時、守れなかった何かを

守りたい・・・


なんかそんな風に思ってるのかも
しれない。

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