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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第3章 家出娘の正体は・・・

アタマぶん殴られたみたいに

一瞬チカチカする


昨日の記憶と

夢と現実と・・・


一瞬ごちゃごちゃっと混乱してさ









誰だよ?!コイツ!??






・・・や






いや・・・






いいんだ・・・いい。




大丈夫・・・。



頭が整理出来てくると
自然と混乱は落ち着いて。





『フゥ・・・』





ため息まじりに一息ついて

振り返る。





記憶・・・ちゃんと、ある。


つぶれる程、酒飲んでねぇし


昨日・・・同期の結婚式で
終電ギリギリで帰ってたら

帰り道に雪女みたいな
家出娘に遭遇して・・・

なんの因果か一悶着あった末に

女が凍えてぶっ倒れて

そんで俺が連れてきたんだったっけ

・・・コイツ。












記憶を一周させて
落ち着きを取り戻し


隣で寝てる女に目を落とす。




サラサラした長い髪の毛・・・

2つに結んだまま寝てやがる。



・・・ガキみてぇな顔。



あー・・・ガキだよな?

21っつったか?



俺の4コ下か・・・。

十分ガキだ。





法には触れないから
とりあえずは安心して泊めたけどさ。





イイ・・・ニオイ。




記憶の曖昧な夢の中でした
ニオイとよく似てる、イイ匂い。




コイツからする。




物のニオイじゃねんだ…
人工的な匂いじゃなくて


肌の匂いっつーのかな?


人間の・・・



女の・・・匂い。








ボーー・・・っと




しばらくその寝顔をみてた。

昨晩、俺に
〃バカ〃だの・・・挙げ句
〃ハゲ〃とか言いやがった

(根に持ってるね~俺・・・)

あの半狂乱の女と・・・
ホントに同じ女かよ?


とか
思いながら



起きる気配もない
ソイツから



そっとはなれた。




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