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バタン…




追い出されるようにマリアが
退室した部屋は



一時の静まりをみせる





『母さん…』


『ゆっ…許しませんよ！和樹！
お母さんは絶対に』





『まりあは…少し精神的に
追い詰められただけだよ…』


『なんと言っても許しませんっ・・・』




おさまりのつかない姑…
母親を前に、その息子は…






『母さん…母さんが何て言っても
俺は…まりあとは別れないよ』






あくまでも・・・その面を外さない





『ｸｽ…大丈夫だよ母さん
まりあも少し興奮しすぎただけだ

まりあには俺から後で言って聞かせるから
安心して？

俺たちは…一度の過ちでダメになるほど
もろい夫婦じゃないから・・・』




『和樹ぃ～～・・・っ
あんたって・・・あんたって子はぁ～～』




ウォンウォンと唸りをあげて
しまいには泣き出す先方の母親







「あの・・・それでは」



唖然としていた弁護士が
冷静さを取り戻しながら咳払いした







『ユウト…早く・・・書いて
失礼するわよ・・・』






俺は・・・一人だけ
時が止まったみたいに



どれくらいだろう

呆然と立ち尽くした
















マリア・・・バカヤロウ