
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?
『ごめんね・・・優人』
『・・・だから、なんでそっちが謝るんだよ』
『訳も聞かずに・・・』
『???』
『・・・痛かったでしょう』
母親が・・・さりげなく
俺の左頬をちらりと見た
『別に・・・』
殴られる痛みを知っている母親…
子どもに手をあげた事なんかなかった母親が
初めて子どもを殴った
それも・・・こんなデカくなった息子を…
心を鬼にして・・・手をあげた
『優人の気持ちは・・・
〃あなた達〃の気持ちは
お母さんなりに・・・よぉくわかった』
『・・・』
『だけどね・・・優人
どんなに真面目な純粋な気持ちでも
どんなに・・・事情があったとしても』
『・・・』
『〃人のもの〃は・・・盗っちゃいけないの』
