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ヴェルジェ~夢を追う少女~

第8章 一年次文化祭

 発表から一週間ちょい……十月二十五日。いよいよ音楽祭当日。

 体育館前列に一,二年。後列にお客さんがいる。

 十時──…

 幕が上がる。マイクをセットしたピアノの前に女の子が座っている。

「一曲目、柚原美希(ユズハラ ミキ)さんで春夏秋冬ー愛の花ー」

 司会がそう言う。

 すると、柚原美希……黒髪の清楚系少女の先輩はピアノを弾きはじめる。そして歌う。

「~♪キミと一緒に帰った道ふと下を見れば小さなタンポポ~」

 柔らかな透き通る声。響くピアノの音。

「~あたしの中に咲いた愛の花ぱっと花開いたよ~」

 サビ、高音が響き渡る。

「~キミとアタシのラブストーリー春夏秋冬 愛が咲く~♪」

 柚原先輩は歌い切った。

「ありがとうございました」

 柚原先輩がお辞儀をすると皆が拍手をした。

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