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ヴェルジェ~夢を追う少女~

第8章 一年次文化祭

「ラストに近づいてきました。四曲目は、水城悠一(ミズシロ ユウイチ)で希望の光」

 この人は知っている。女子の中で一番人気のある先輩だ。

 アコギ一本を持ちスタンドマイクの前に立つ。

 水城先輩はすらりとした細い指でギターを弾きはじめた。声もすぐに聞こえだす。

「~♪夕暮れの帰り道一つの幸せを見つけた~」

 女子達は水城先輩に釘付けだ。低音ボイスにギターにクラリとするのも分かる気がする。

「~僕ら照らす月いつの間にか夜になっていた~♪」

 声とギターはほぼ同時に終わった。

「ありがとう」

《キャアァ──!!》

 女の子の歓声は一番凄かった。

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