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マリア

第26章 終曲



智「ほら、早く!翔くんも座ってみなよ。フワフワだよ!」


「あ…う、うん。」



智は隣に座ろうとした俺の手を力一杯引き寄せ、バランスを崩した俺の上に跨がってきた。



「智…」


智「抱いて…翔くん。」


体ごと降りてくる智の唇。



被ったままだった智のフードを外し、智の顔を引き寄せまた、キスをする。



智「お願い……。」



体を反転させ、智をシーツの上に組み敷く。



額に掛かる前髪を指先で掻きあげキスを落とす。



くすぐったそうに笑う君の瞼、



高く、すっと通った綺麗な君の鼻筋、



丸くて柔らかい君の頬、





そして形のいい君の顎先へと順に唇で触れてゆく。




いつだったか…



あれは確か、礼音との最後の別れの日に君が言っていた、



「今のこの姿は魂の入れ物」なんだ、って。



だから、今の君のこの姿も魂の入れ物。



瞼も、整った鼻筋も、丸くて柔らかい頬も、形のいい顎先も、



唇で辿った場所全てが、君の魂の入れ物。



智…



君の本当の姿はどこにあるの?



そこに君の本当の心はあるの?





教えて………智?







智「あっ……あっ…んっ…もっ…と……あ…」


「くっ…ヤバ…っ」





こうして俺たちは、



最初の絶頂を迎えた。



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