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マリア

第6章 練習曲



翔side


礼音がまた入院した、と聞いて部活を終えてから何度も病院に足を運んだ。



智と礼音が気まずくなっていることを知らない俺は、側に智がいたらどうしよう?ってばかり考えてしまって、



いざ、病院には足を運ぶものの、中には入ることが出来なかった。



俺は智と会うのが怖かった。



あんな言葉を吐いて、智にドン引きされているかもしれない、と思ったら、



怖くて病室までは行けなかった。





やり方を教えろ、なんて、





よくよく考えてみたら、試しに俺とセックスしてみろよ、って言ってるようなものだ。





日も落ちかけた帰り道。


智とよく似た背格好の少年が信号待ちしているのを見て、思わず足が竦んでしまった。



気づかれないように、背中を向け歩き出した途端、


後ろから誰かに肩を捕まれた。



智「翔くん?」



智だった。



身体中の、毛穴という毛穴から一斉に汗が噴き出してきて、



制服が肌にべっとり貼りついているようでとても居心地が悪かった。



智「礼音に会いに来てくれたの?」


「え?」



予想外の智の明るい声に、



思わず振り向いてしまった。


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